2013年9月7日土曜日

儲けのため…??

日本の皆さん、残暑お見舞い申し上げます。
竜巻とか、豪雨とか、なんか天災が多発しているみたいで心配です。。。


世界のいろんなところにいるみんな、みんなのところはどんな時期ですかー??


私のいる任地は、
5月初旬には30℃を超え、そこからグングン気温が上がり、
7,8月は毎日40℃前後。

そんな長ぁーーーーーーーーい夏が、
ここ2週間で魔法がかかったかのように終わり。。。

今週は最高気温も22℃とかです(笑)


「過ごしやすいじゃん!!」
って思うけど、あの夏に慣れてしまった自分にとってはむしろ寒い。(笑)


風邪ひかないように気をつけます(~_~)





今日は、配属先の病院の裏側事情というか、現実について。。。



中国の病院では、入院費用、外来診察費、リハビリの費用、すべての設定額が病院ごとに違う。


外来の診察費用も医者によって異なり、
臨床経験年数や肩書の多い先生等は診察費も高い。


リハビリも、
運動療法に加えて、物理療法などでは一種類ずつ費用が細かく設定されていたりして、
その日に何をしたかで費用も全く異なる。


そして、私の配属先病院では、

科毎の毎月の収入によって、その科が病院からは評価され、
新しい機械を導入するための費用が調整されたり、
次年度の科の売り上げ(“売り上げ”という言葉を使うのは適切ではないと思うが)のノルマが設定されたり、
収入が多ければ特別手当が出されたりする。


逆にノルマが達成されなければ罰金。
給料から天引きされる。



そんなシステムが生み出す問題。。。




その①

病院で行われる治療が

「患者さんの回復に必要な治療」

ではなく、

「科の評価を守るための収入アップにつなげる売り物」

になってしまうこと。



物理療法一つとったって、
その患者さんにとって、“悪影響はないけれど、絶対必要でもない治療”が提供されたりする。
針灸治療だって、受けてもあまり効果は期待できないような患者さん(もしくはそういう時期)にでも、悪影響を与えるものじゃない、という理由で治療が行われたりする。


表現は悪いが、

“時間をかけずに儲かる方法。”

そんなカンジ。


経済的余裕があまりない患者さんでも、そりゃ良くなるためにみんな必死だもん。
Drに言われたことを聞き入れるに決まっている。


そして、主治医(もちろん全員ではないが…)からリハビリスタッフによく投げられる言葉は、

「最近訓練の様子どうだ?」

ではなく

「今週の収入どうだ?」

だったりする。。。。。。




その②


科毎にノルマが異なり、科毎の収入状況によって、病院(つまり院長)からの評価が変わるため、科同士が対立関係にあったりする。


患者さんや家族は、まだまだリハビリの理念、重要性に対する理解が不十分だから、主治医からリハビリの必要性を説明しなければ、リハビリ治療を自分から希望する患者はまだまだ少ない。



ただ、私の配属病棟(リハビリ科)以外の科では、リハビリの処方がまだまだまだまだ少ない。

それは患者さんを横取りされたくないから。。。



患者さんは売り物じゃないのに……。





私も同僚と一緒に他科に出向いて、リハビリの必要な患者さんがいないかとか、
処方をお願いできないか様子を伺いにいったことがあるが、
いい顔をされないことが多かった。


もちろんすべてのDrがそうなわけではないし、患者さん同士の口コミのおかげで、

この1年半で他科の患者さんもかなり増えた。



でもやっぱりこんな現状にいろいろ疑問を抱いて、
同僚にも、このやり方は違うんじゃないかって話を何度もした。


しかし、彼らにとってはお給料がかかった話。

ただでさえ、決して多いとは言えないお給料をさらにカットされたら、生活だって相当苦しくなる。。。



彼らも心ではわかってる。
こういう考え方、やり方が決してよくはないこと。


でも病院のやり方がそうである以上、それに合わせるしかない…。


仕方ない。。。
のかもしれない。


日本にだって、無駄に薬をたくさん処方してくるお医者さんとかたくさんいるし。。。
この場所だけの問題じゃないとは思う。




・・・・・・でもやっぱり、
患者さんの身体や心を少しでもよくしてあげなきゃいけない私たち医療人の心や頭の中が、
お金のことで埋まるのは悔しいな。


この問題は、そんなに簡単に解決することではないから、

あたしが頭を抱え過ぎても苦しくなるだけなんだけど、

この現状を見る度に心が苦しくなる、

そんなどうにかしたいけどどうにもできない問題。




大きすぎて、人が多すぎて、統一しきれない中国のいろんな制度。。。


どんなふうに変わっていくかなー。。。




問題はたくさんあるけれど、それはどこだって同じ。
日本の医療にだってたくさん問題はある。

たくさん問題はあるけれど、たくさんのステキもある。

リハビリの力を信じて毎日来てくれる患者さんのために、
一回一回の訓練を、
大切に。



あと4ヶ月。