2012年5月31日木曜日

初出張・西安☆

5月14~18日、陝西省の西安で行われたJICAのリハビリプロジェクトの研修会に参加してきた。

この研修会は陝西省(西安)、重慶、広西省にある病院を使用して、中国中西部の地方部で働くリハビリスタッフの知識と技術の向上を図るというJICAプロジェクトの一環で開かれたもの。



会場なった西安のリハビリテーションセンターは、設備も充実していて、装具、車いすなどを含めた福祉用具も揃っている。
日本に勉強にいったことのあるスタッフもいるようで、評価表も統一したものが使われている。患者サンももちろん多く(配属先の病院が極端に少ないのだが…)、患者サンやご家族自体のリハビリに対する理解もそれなりに高い印象を覚えた。


 【PT室】
面積もベッド数も十分。片付けもきれいにされている。

 【トレーニング室】
機器も多く揃っている。
それがどんなふうに(適切に?)使われているのかという問題は置いておいて。。。

 【OT室】
各作業テーブルの前に鏡が置かれている。

【OT室②】
自助具も揃っており、販売もされている。


研修会には日本からPTの先生も講師としていらっしゃっていて、会場であるリハビリテーションセンターを使って「臨床指導・症例検討」の項目として、実際に患者サンの評価や、現場治療師へのアドバイスなどをしていただいた。


あたしが普段接している中国の患者サンやご家族に対して、他の先生がどんなふうにやりとりをするのか、どんなアドバイスをどんな形でするのか、それを見ることができただけでもとても勉強になった。


こちらが何か話すと、すぐ答えを求めてグイグイ話を進めようとする患者サンや家族、スタッフに対して、とても冷静でかつ優しく、温かい言葉で返す。

最近のあたしは、なかなか話が進まないときや話したいことからどんどん逸れていってしまうそんなとき、感情的になりやすかったり、話すのにすごくストレスを感じたりすることがあった。。。
「はぁーーー、うまく話しあえないー、やっぱりダメだー。」って、そうなっちゃうことが多かった気もする。


見失いかけてた視点や接し方、そんなことを改めて感じて考えることができた。

いろんなことを意識し直して、今の患者サン、ご家族、同僚たちともう一回向き合っていこう、そう思えた。
そう思ったら、自然と心が少し冷静に、温かくなった気がした。



 【早朝から綱引き!!??】
ホテルから会場に向かう途中のスーパーの前。。。
朝8時前、なんかにぎやかだと思ったら
おじちゃんチームVSおばちゃんチームの綱引き大会!!笑

なんの企画なのか全くわからず。(^_^;)
朝から元気いっぱいです。

 【大雁塔】
・・・の前で先輩隊員や専門家の先生、中国の治療師さんたちと(*^^)v
大雁塔は西安の観光名所の一つ。
三蔵法師がインドから持ち帰った経典や仏像を保管するために作られたそうな。。。


【噴水の水のショーと大雁塔】
アジアで一番の長さを持つ噴水なんだとか。
夜はここを使って音楽に合わせてショーが行われる☆

勉強会のリアクション。

5月10日、月一回ある科内の勉強会の5月の担当になり、Drやみんなが普段よく聞いてくる日本の医療・リハビリ事情、病院環境について改めて紹介した。

この数ヶ月で見てきた中国の事情を踏まえて、大きく違う部分や改善していったらよりいいんじゃないかと思うことを中心に。。。


約40分、パワーポイントを使ってもちろん中国語で。

まだまだ専門用語を自由に使いこなせるわけではないので、文字よりも写真を多くして(しゃべりが不十分でもどうにかなるかと思って。笑)。。。

できるだけ正確に伝えたかったし、できる限りみんなに理解してほしかったから、
事前に同僚(カウンターパートにあたるのかな)にスライドと原稿の中国語をチェックしてもらった。


2時間ぐらいかかったかなー。

いつもは時間になればすぐに「下班!!回家!!(退勤だー帰るぞー!!)」って職場をさっさとあとにする彼ら。

でもその日は彼は嫌な顔一つせずにゆっくりゆっくり聞いてつき合ってくれた。



「できるだけ正確に中国語使いたいから、もっといい言い回しがあったら教えてほしい」

って言ったけど、彼はあえて

「できるだけあなたの表現方法を使うべきだと思うよ。言ってる意味がわかればそれでいい。それがあなた達(日本)と僕達(中国)の認識の違いだったりするかもしれないから、あなた達の表現の仕方、考え方をそのまま表現して僕たちはそれを理解するべきだ」

って言ってくれた。


結果、みんなはとっても熱心に聞いてくれて、日本の環境や方法に対して興味を持ってくれて、取り入れられる部分に関しては、今後導入していきたいと感想を言ってくれる人も多かった。


もちろん中には
「日本は環境がいいから。こことは違いすぎるから今はどうしようもない。内容自体は大して変わらないんじゃない?」
と受け止める看護師さんもいた。

「伝えきれなかったなー」と思いつつ、「いや、一回で理解してもらおうっていう方が無茶なんだ」って自分に言い聞かせた。



環境の問題・・・たとえば、

訓練用のベッドが少ない、
訓練用具が少ない、
OT用の作業テーブルもない、
ST室なんてもちろんない、
杖や装具も揃っていない、
廊下は狭いし手すりはない、
病室のベッドは鉄パイプの患者サンには高すぎるパイプベッド、
病棟のトイレは2個しかなく、和式、段差もある
お風呂(シャワー)はないから患者さんは入院中一回も入れない
病院食がなくて、毎食家族が用意するから、栄養管理や食形態の管理も不十分
・・・・・・

そして制度上の問題(保険制度の違い)、経済的な問題・・・



これらはたしかに今変えられることじゃないし、時間がかかることかもしれない。


ただあたしが伝えたかったのは、他にも今の環境下で変えられること、すぐに動き出せることがたくさんあるってこと。
主任をはじめ、大部分の人にはそれが伝わったかなって、ちょっと手ごたえも感じることができた。

あとは、普段じっくり話す時間もあまりない看護師さんにも、あたしが日本でどんなことしてきたのか、どんな病院にいたのか、知ってもらえる機会になってよかった。



問題はこれから。
実際に動き出していくのにはまたエネルギーが必要なわけで。。。
興味は持ってくれても実行にとりかかるには、もう一段階踏ん張らないと。


6月はそれらの始動を本格的にできたらいいな。





【勉強会】
原稿ガッツリ読みすぎ。笑
でもスライド「色使いもきれいだね!!すごく見やすかった!」って褒めてもらいました♪

2012年5月12日土曜日

夏は〇〇とビールでしょ!!

ここ最近、グッと気温が上がって30度近くなる日も多いほど。
半袖で十分だし、冷房をまだ入れていないリハビリ室では、汗を流しながら治療に取り組んでいる。


夏のここ襄陽市の(湖北省の?)名物と言えば「大虾(ダーシャ)」らしい。
辞書で引くと・・・

車エビ!!!!




こんなにテンコ盛りの車エビ!!!!

味は・・・

辛い辛い辛い!!!!!
でもなかなかイケてる!!!!!
辛いの嫌いな自分も結構食べれた♪(中国来てやっぱり辛さにはだいぶ鍛えられたと思う(^_^)/~)

ビアガーデン風に外でビールを飲みながら味わうこともできる。

暗くなるとお客さんがいっぱい!!!!

いつもは食事の時に白酒(バイジゥ)という中国の強ーーーーいお酒(50度ぐらい)を飲むみんなもこの時はビールがお供♪
(自分的にはかなり嬉しい(*^^)v)



大虾をメインに、他にもこんなガッツリ骨付きの豚肉を食べたり(骨の解剖したくなるぐらい関節とか軟骨とかガッツリ!!リアル!!笑)、




この骨の骨髄のところにストロー差して中身を吸い出したり(手のひらいっぱいぐらいの大きさの骨!!)、
※大虾を食べる時はみんなビニール手袋をつけて食べる。笑。それでもだんだん油と辛いタレが手袋を浸透してくるけど。(@_@;)お肉も箸じゃ持てないほどだから、そのままかぶりつく。

 
こんな一見ヘビみたいなもの(でもヘビじゃなくて・・・鳝鱼(シャンユゥ。日本語では「タウナギ」?)という淡水魚)を食べたり・・・


他にもカエルの料理もあった。。。
(拒否反応で写真撮り忘れた。笑)

みんな夢中になっていただきます。
あっ、もちろん、他の普通の(?)料理もありますよー!!ヽ(^。^)ノ




海老の殻や、ナッツの皮、お肉の骨たちはテーブルの上にポイポイされていく。。。
(こういう習慣はさすがに日本人のあたしには必要ないかなーと思う。。。)
辛いのが苦手な人は、グラスのお茶に箸ごと突っ込んで辛いタレをすすぐ。。。笑


そして、最終的には床もこんなにゴミだらけになって、みんなごちそうさま。。。(^_^;)
ゴミや唾を室内でも平気でポイポイ、ペッペッするのを見るのは、いくら時間がたってもちょっと(いや、すごく?)見苦しい。。。



でも、日本と同じように四季があるこの中国にいるからこそ感じられる、季節ごとの楽しみ。。。

そんなものもいろいろ経験できたらいーなと改めて思った。食べ物だけじゃなくて、自然も、行事も、いろいろ。。。

そして「日本食ってお寿司と刺身でしょ!!??」と、日本料理のイメージがこの二つしかないみんなに、近々日本食を作って食べさせてあげようと思う。

何がいいかな・・・?

 


【番外編】

木苺(?…ブラックベリー?)を売るおばちゃま。
他にもこの時期はさくらんぼやカットパインを売るおじちゃん・おばちゃんがたくさん。

この路上販売の果物も季節ごとに変化していく♪





『スケート行こう!!』と食事のあとに誘われたもんだから、
『この街にスケートリンクなんてあるんだ!?』と思ってついて行ってみると。。。

たしかにヒンヤリ涼しい場所だけど、床に張られているのは氷ではなく木の板!!!

そう、「ローラースケートリンク」!!笑

ちょっとクラブ風に(?)ガンガン音楽がかかってる(^_^;)
レンタルのローラースケートは決してきれいとは言えるものではなかったけど、
せっかくだったし、光GENJI気分で遊んでみました♪笑

2012年5月4日金曜日

心がウズウズ。

なんでだろう、何かあったわけではないのに、ただ仕事に没頭すればよかったのに、


今日の午前中はまた余計にいろいろ考えてしまった。

あたしが今できること。やるべきこと。。。



今あたしは自分で患者サンを担当することはしていない。彼らの患者サンを必要に応じて一緒に見て、アドバイスできることを彼らに伝えている。

人の治療に偉そうに口を出せるほどではないのだが、彼らの治療や態度を見ていると言いたいことがたくさん出てきてしまう。



でも、あたしが思うこと、全部が全部を口に出してたら、彼らのやり方なくなっちゃうし、ただのうるさい外国人かなって思ったり。
もちろん伝え方とか導き方だったりするんだろうけど。。。



でも、こうやって言いたいことを我慢して、最適とは思えない治療が患者さんに提供されていくのを見てると心がウズウズして仕方ない。




でも、ふと冷静になって彼らの治療をプラスの目で見てみると、あたしが今まで伝えたことや、指導してみたこと、それを真似してみようとしてる彼らがいたり、話せばしっかり聞いてくれる彼らもいる。

変わってないわけじゃない。

変化はある。



ただ焦ってるだけなのかな。

でも焦ってるわりに、彼らに与えられてるもの、そんなに大きくないかなって思ったり。





こんなに心がウズウズした毎日を送るのは初めての経験かもしれない。

今までは、あたしを引っ張ってくれる人や先輩が必ずいて、刺激になる後輩がいて、訳がわからなくなっちゃったら一緒に解決してくれようとする仲間がいて、疲れたら何も考えずに笑いまくれる、遊びまくれる友達がいて。

周りの力で進んで来れたし、何かあっても周りの力でリセットして次に進めた。
そんな力を借りながら、そんな周りの人や先輩に近づけるように、もっと上の自分を目指して動くことに必死だったし、だからこんなに自分の心にウズウズを感じることってなかった気がする。

人のことにウズウズしてる暇ないぐらい自分で精いっぱいだっただけなのかもしれないけど。

でも、実はそれが心地よかったのかもしれない。





だから、ときどき考えちゃう。



こっちでこんなにウズウズした気持ちばっかりの日々って、あたしには合ってないのかな・・・って。
あたしまだまだここの生活や仕事、楽しめてないなって。

今のこと、この先のこと、ちょっと考えると、のどのギリギリまで息が苦しくなるぐらい心がいっぱいになって心の身動きがとれなくなる。

どう処理していいかわからなくなる。

こんなふうにウズウズばっかりの毎日を送ること、何になるんだろう。



って、どんどんめちゃくちゃなこと考えながら、でもなんとか自分を初心に戻してみようとする。





あたしが協力隊に来たいと思った理由。


リハビリのすごさ、リハビリがあることでどれだけの患者さんが楽になれるか、笑っていられる時間が増えるか、それを、それが不十分な場所で伝えてみたい。



そして、それをそこにいる治療師の人たちが改めて感じることができたらなおさら。。。





そんな単純な理由。
そして中国に来たのは、中国語を話せるようになってみたかった。
そんな簡単な理由。




じゃぁ、それを伝えるのにはどうするのがいいのか。


「リハビリ」っていう概念がまだまだ浅い中国で。。。
勉強会みたいなのものを開きまくってとにかくリハビリを宣伝する??

・・・いや、実際に経験したり見たりしなきゃ、ただ聞くだけじゃうまく伝わらないだろうな。



患者さんバリバリ治して、ものすごい効果見せてみる??

・・・何言ってる。あたしだってまだまだ経験浅いし、ゴッドハンドみたいなことができるわけじゃない。





そうやって考えると、やっぱり今やってるように、毎日一つでもいいから同僚に、患者さんに、ご家族に、あたしの知ってることを伝えていくことが一番いいのかもしれない。


“どれだけウズウズしたって、あたしの力が誰かのためになれば、それでいいんでしょ?
自分にその結果がどんなふうに跳ね返ってくるか、それはその先の話なんじゃない?”



そんな風に考えられればいいんだろうし、結局はそういうことなんだけど、
現実は…日々の一瞬一瞬は…
ウズウズして仕方ない。



そんなあたしをの心を楽にしてくれるのは、やっぱり日本であたしをたくさん支えてくれた友達、恋人、先輩、そして家族からのメールやskypeでの電話。

そんなあたしに刺激をくれるのは、世界でがんばってる同期のみんな。



まだまだこっちの人に心を開けきれてないなー。




中国に来て、もうすぐ4ヶ月が経つ・・・
全力で走ってきたかな。実はまだまだ力余ってるのかな。


とりあえず、来週勉強会を担当することになってるから、ここで改めて日本のリハビリについて、紹介してみようと思う。
どんな反応が返ってくるかな。


あっ、なんかこんなことばっかり書いてますが、基本的には体元気に過ごしてます。ご心配なく。笑


【上海(豫園and夜景)】
実は上海に2泊3日で行ってきたんです。
さすが上海、中国にいることを忘れちゃうぐらいいろんなものありました。
もちろん夜景もよかった!!



【花文字】
中国の伝統的なものなんだとか。。。
「志野」
記念に書いてもらいました♪
よく見るとパンダがいたり、龍がいたり、クジャクがいたり♪